日本企業や個人事業主が海外に拠点を持つとき、どの国を選ぶかで、設立の手続き・外資規制・税金・人材の条件が大きく変わります。このコラムでは、SOTOSUMUが扱うマレーシア・ドバイ(UAE)・インドネシアの3か国について、会社設立の基本を比較します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。実際の進出では、現地の会計事務所・法律事務所や、日本の税理士などの専門家に相談してください。
目次
3か国の比較
| 項目 | マレーシア | ドバイ(UAE) | インドネシア |
|---|---|---|---|
| 主な会社の形 | 非公開会社(Sdn Bhd) | 本土(メインランド)の会社、またはフリーゾーンの会社 | 外資の株式会社(PT PMA) |
| 外資の出資 | 製造業は原則100%可。一部の業種に上限や条件 | 2021年から本土でも原則100%可(戦略的な業種を除く) | 多くの業種で100%可。一部に制限 |
| 資本金の目安 | 業種により払込資本金の条件あり(流通・サービス業はRM100万など) | フリーゾーン・業種により異なる | 総投資額100億ルピア超、払込資本金25億ルピア以上(2025年の改正) |
| 法人税 | 24%(中小企業の軽減税率あり。ただし外資の比率で対象外になることも) | 37万5,000ディルハム超の部分に9%。適格フリーゾーン法人は対象所得0% | 22% |
| 付加価値税など | 売上税・サービス税(SST) | 付加価値税5% | 付加価値税 |
| 日系企業の拠点 | 多い | 343拠点(2024年10月、中東で最多) | 多い |
国ごとの特徴
マレーシア:製造・東南アジアの拠点に
- 英語が通じ、日系企業の進出の歴史が長い
- 製造業は原則100%外資で設立できる
- ジョホール州の経済特区(JS-SEZ)では、対象分野の新規投資に法人税5%(最長15年)の優遇がある
ドバイ(UAE):中東・アフリカへの玄関口
- 2021年から、本土の会社も原則100%外資で設立できるようになった
- 法人税は2023年6月以降の事業年度から導入(9%)。フリーゾーンの適格法人は条件付きで0%
- 売上300万ディルハム以下の小規模事業者向けの救済措置は、2029年末までに終わる事業年度まで延長された
インドネシア:人口約2億8,000万人の巨大市場
- 外資は株式会社(PT PMA)の形で進出する
- 2025年の規則改正で、払込資本金の最低額が100億ルピアから25億ルピアに引き下げられた
- 中小事業者向けの0.5%の簡易な税率は、新しく設立する株式会社では使えなくなった
日本側で注意したいこと:外国子会社合算税制
海外の子会社の税負担が一定の割合より低い場合、子会社の所得を日本の親会社の所得に合算して課税する「外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)」があります。2024年4月以降に始まる事業年度から、一部の判定の基準が30%から27%に引き下げられています。
法人税率の低い国やフリーゾーンを使う場合は特に、日本の税理士に事前に確認しましょう。
進出前のチェックリスト
- ☐ 進出の目的(販売・製造・地域統括・資産管理など)
- ☐ その業種で外資100%が認められるか、資本金の条件
- ☐ 現地に住む取締役や会社秘書役などの要件
- ☐ 日本人を派遣する場合の就労ビザの条件
- ☐ 現地と日本の税金(外国子会社合算税制・移転価格など)
- ☐ 会計・税務申告を任せる現地の専門家
→ 海外拠点の形の選び方 / 海外進出で使える公的な支援制度
→ マレーシアのIT企業向け優遇制度(Malaysia Digital) / インドネシアで外国人を雇う・働くには?
まとめ
- マレーシアは製造・東南アジアの拠点、ドバイは中東・アフリカへの玄関口、インドネシアは巨大な国内市場が強み
- 外資の出資比率・資本金・法人税の条件は国と業種で大きく違う
- 日本側の外国子会社合算税制にも注意が必要
- 進出の目的を決めたうえで、現地と日本の専門家に相談しながら進める
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
