マレーシアには、IT・デジタル分野の企業を誘致するための「Malaysia Digital(マレーシア・デジタル)」という制度があります。かつての「MSC(マルチメディア・スーパー・コリドー)」を引き継いだ制度で、条件を満たすと法人税の優遇などを受けられます。このコラムでは、制度の基本を整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。申請や税務の判断は、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)や現地の専門家に確認してください。
目次
Malaysia Digital とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営 | マレーシア・デジタル経済公社(MDEC) |
| 対象 | AI、IoT、サイバーセキュリティ、クラウドなどの技術を使う、指定されたデジタル事業 |
| 新しい税制優遇 | 2024年5月31日に開始 |
認定を受ける主な条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 払込資本金 | RM1,000以上 |
| 人材 | デジタル業務に専任する常勤の従業員2人以上(平均月給RM5,000以上) |
| 運営費 | 年間RM5万以上 |
法人税の優遇(新規投資向け)
| 所得の種類 | 法人税率 |
|---|---|
| 知的財産(IP)から得た所得 | 0% |
| それ以外の所得 | 10%(追加の条件を満たせば5%) |
- 期間は、連続する10課税年度
- 優遇を受けるには、払込資本金RM5万以上、月給RM5,000以上の知識労働者を十分に雇うなどの条件がある
- 毎年、外部の監査人の確認を受けたうえでMDECに報告する
- 税率の軽減の代わりに、設備投資の60%または100%を所得から差し引ける「投資税額控除」を選ぶこともできる
マレーシアの標準の法人税率(24%)と比べると、大きな優遇です。
検討するときのポイント
- ☐ 自社の事業が、指定されたデジタル事業に当たるか
- ☐ 人材(月給RM5,000以上の専任スタッフ)と運営費の条件を満たせるか
- ☐ 優遇を受け続けるための報告・監査の手間
- ☐ 日本側の外国子会社合算税制(税率の低い子会社の所得を日本で合算する制度)の影響
日本の親会社がある場合は、日本の税理士にも事前に相談しましょう。
→ 海外進出・法人設立の国選び/マレーシアの就労ビザ(Employment Pass)
まとめ
- Malaysia Digital は、IT・デジタル分野の企業向けのマレーシアの優遇制度(旧MSC)
- 認定には、資本金RM1,000以上、専任スタッフ2人以上、年間運営費RM5万以上などの条件がある
- 新規投資の優遇は、IP所得0%、それ以外10%(条件により5%)で、10課税年度
- 日本側の税制の影響も含めて、専門家と検討する
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
