UAEの本土の会社で人を雇うときは、連邦の労働法にもとづいて、雇用契約・労働時間・退職金・給与の支払い方法などのルールを守る必要があります。このコラムでは、UAE(ドバイ)で人を雇うときの基本を整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。実際の雇用契約は、現地の法律事務所や人事の専門家に相談してください。
目次
労働法の基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠となる法律 | 連邦労働法(2021年第33号、2022年2月施行) |
| 雇用契約 | 期間の定めのある契約に一本化。期間は当事者で決められる |
| 労働時間 | 1日8時間・週48時間まで。残業は1日2時間まで(割増125%、夜間150%) |
| 年次有給休暇 | 勤続1年以上で30日(暦日) |
退職金(エンド・オブ・サービス)
| 勤続年数 | 退職金の目安 |
|---|---|
| 最初の5年 | 1年あたり基本給の21日分 |
| 6年目以降 | 1年あたり基本給の30日分 |
- 勤続1年以上の従業員が対象
- 上限は給与の2年分
- 自己都合の退職でも減額されない
- 契約終了後14日以内に支払う
退職金は将来の負担になるため、毎年の引当てを計画に入れておきましょう。
給与の支払いと保険
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 給与保護制度(WPS) | 給与は、承認を受けた銀行や両替所を通じて支払うことが義務 |
| 健康保険 | ドバイでは雇用主が従業員を加入させる義務がある |
| 失業保険(ILOE) | 原則として従業員本人が加入(基本給1万6,000ディルハム以下は月5ディルハム、超える場合は月10ディルハム)。未加入には罰金がある |
UAE国民の雇用(エミラティゼーション)
本土の会社には、UAE国民を一定の割合で雇う義務があります。
- 従業員50人以上:熟練職のUAE国民の比率を毎年2%ずつ引き上げ、2026年末までに10%にする
- 従業員20〜49人の対象業種:少なくとも1人のUAE国民を雇う
- 目標を達成できないと、未採用1人あたり月1万ディルハムの負担金がかかる(2026年7月から)
- 2026年から、UAE国民の給与が月6,000ディルハム未満の場合は比率に数えられない
フリーゾーンの会社は、原則としてこの義務の対象外です。
フリーゾーンの場合
DIFC(ドバイ国際金融センター)とADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)は、独自の雇用法を持っています。それ以外のフリーゾーンは、原則として連邦の労働法が基本になります。
雇用前のチェックリスト
- ☐ 雇用契約の期間と条件
- ☐ 労働時間・残業の割増・休暇の規定
- ☐ 退職金の引当て
- ☐ 給与保護制度(WPS)に対応した給与の支払い
- ☐ 健康保険・失業保険の手続き
- ☐ 本土の会社なら、UAE国民の雇用の義務
まとめ
- UAEの雇用契約は期間の定めのある契約に一本化され、労働時間は1日8時間・週48時間まで
- 退職金は最初の5年が1年あたり基本給21日分、6年目以降は30日分
- 給与は承認された銀行などを通じて支払う義務があり、失業保険は従業員本人が加入する
- 本土の会社は、UAE国民の雇用の義務(50人以上は2026年末に10%)に注意する
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
