ドバイは、中東・アフリカ・南アジアへの玄関口として、多くの外国企業が拠点を置いています。2021年に外資規制が緩和され、2023年には法人税が導入されるなど、制度も大きく変わりました。このコラムでは、ドバイで会社を設立するときの基本を整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。実際の設立は、現地の設立支援会社・会計事務所・法律事務所に相談してください。
目次
本土(メインランド)とフリーゾーンの違い
| 項目 | 本土の会社 | フリーゾーンの会社 |
|---|---|---|
| 外資の出資 | 2021年から原則100%可(戦略的な業種を除く) | 100%可 |
| 活動できる範囲 | UAE国内の市場で直接取引できる | フリーゾーン内と国外が中心 |
| 法人税 | 37万5,000ディルハム超の部分に9% | 条件を満たす「適格フリーゾーン法人」は、対象となる所得が0% |
| 管轄 | ドバイ経済観光局(DET)など | 各フリーゾーンの管理当局 |
フリーゾーンの会社が本土で活動する場合
2025年3月から、ドバイでは、金融業以外のフリーゾーンの会社が、ドバイ経済観光局の支店ライセンス(年1万ディルハム)や、6か月の一時許可(5,000ディルハム)を取って本土で活動できるようになりました。
法人税
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税率 | 課税所得37万5,000ディルハムまで0%、それを超える部分に9% |
| 開始 | 2023年6月1日以降に始まる事業年度から |
| 適格フリーゾーン法人 | 実体の要件などを満たせば、対象となる所得は0% |
| 小規模事業者の救済措置 | 売上300万ディルハム以下なら、選択により課税されない。2029年12月31日までに終わる事業年度まで延長 |
| 大規模な多国籍企業 | 売上7億5,000万ユーロ以上のグループには、2025年から国内ミニマム課税(15%) |
その他の税金・ルール
- 付加価値税(VAT):5%。課税売上37万5,000ディルハムを超えると登録が義務
- 個人の所得税:ない
- 経済実体規則(ESR):2022年12月31日より後に終わる事業年度から廃止
- エミラティゼーション(UAE国民の雇用):本土の会社で従業員50人以上の場合、熟練職のUAE国民の比率を毎年2%ずつ引き上げ、2026年末までに10%にすることが求められている
日系企業の状況
UAEには日系企業の拠点が343あり(2024年10月)、中東で最も多くなっています。
設立の流れ(概要)
- 事業内容(ライセンスの業種)と、本土かフリーゾーンかを決める
- 会社名の予約・ライセンスの申請
- オフィス(またはフレキシブルデスク)の契約
- ライセンスの発行・会社の登記
- 社員の居住ビザ・Emirates IDの手続き
- 銀行口座の開設、法人税・付加価値税の登録
→ ドバイで銀行口座を開設する方法/ドバイに永住権はある?ゴールデンビザの条件
まとめ
- ドバイでは2021年から本土の会社も原則100%外資で設立できる
- 本土は国内で直接取引でき、フリーゾーンは条件付きで法人税0%が使える
- 法人税は37万5,000ディルハム超の部分に9%。小規模事業者の救済措置は2029年まで延長
- 付加価値税5%、UAE国民の雇用の義務など、税金以外のルールも確認する
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
