マレーシアの永住権(PR)は取れる?申請の区分・条件と、長期滞在ビザとの違い

マレーシアの永住権(PR)は取れる?申請の区分・条件と、長期滞在ビザとの違い

マレーシアに長く住みたいと考えたとき、「永住権(PR)は取れるのか」は気になるところです。マレーシアにも永住権の制度はありますが、取得のハードルは高く、審査は個別の判断(裁量)によります。この記事では、永住権の申請区分と条件、MM2Hなどの長期滞在ビザとの違いを整理します(2026年10月時点の情報)。

※ 条件は変わることがあります。申請を考える場合は、入国管理局の最新の案内を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。


目次

マレーシアの永住権とは

マレーシアの永住権は、入国管理局が発行する Entry Permit(エントリーパーミット) という許可です。入国管理局は、Entry Permitを「期限なく合法的に入国・居住できる許可」で、外国人に与えられる最も高い待遇と位置づけています。一方で、条件に違反した場合は取り消されることがあるとしています。

項目 内容
正式な名称 Entry Permit(永住許可)
滞在できる期間 期限なし
発行する機関 マレーシア入国管理局(内務省)
注意点 条件に違反すると取り消されることがある

永住権は国籍(市民権)とは別のものです。永住権を持っていても、マレーシアのパスポートは取得できません。


申請の区分は4つ

入国管理局の案内では、永住権の申請区分は次の4つです。

区分 対象
マレーシア国民の妻 国民と結婚している外国人の女性
マレーシア国民の夫 国民と結婚している外国人の男性
マレーシア国民の子ども 18歳未満の子ども
外国人(家族関係なし) 国民との家族関係がない外国人

日本人がマレーシア人と結婚していない場合は、4つ目の「外国人」の区分になります。詳しい条件は、入国管理局が公開している申請ガイドライン(電子書籍)で案内されています。

国民の配偶者の条件

内務省は2025年に配偶者の条件を見直し、2025年9月1日から新しい条件を適用しています。

区分 主な条件
国民の妻 結婚して3年以上、配偶者向けの長期滞在のパスを1年以上持っていること
国民の夫 結婚して5年以上、配偶者向けのパスを5年以上持っていること(ポイント制で審査)

※ 現地の報道(NST、2025年3月・8月)による内容です。

家族関係がない外国人の場合

家族関係がない外国人の場合、民間のガイドなどでは、投資家・専門家(高度な専門性を持つ人)・専門職・ポイント制といった区分が紹介されています。ただし、金額や点数などの細かい条件は、公式の案内で最新の内容を確認できなかったため、この記事では書きません。

内務大臣は2026年2月の国会で、永住許可は専門的な資格や特定の専門性を持つ人に対して、国内の人材や雇用に悪影響がないことを前提に、厳しい基準で認めていると説明しています。家族関係がない外国人にとって、永住権は「条件を満たせば取れる」ものではないと考えておくのが現実的です。


審査には時間がかかり、結果は裁量による

マレーシアの永住権は、以前から審査に長い時間がかかることで知られていました。内務省は2025年8月、2013〜2023年に出された未処理の申請19,205件を処理し、このうち15,081件を承認、4,124件を却下したと発表しています。

また、2025年9月1日以降の新しい申請については、6か月以内に結果を出す方針が示されています。ただし、これは結果を出すまでの期間の目安で、承認されることを意味するものではありません。

  • 審査は個別の判断(裁量)で、条件を満たしても承認されるとは限らない
  • 却下された場合は、不服申し立て(アピール)の手続きがある
  • 長く住んでいても、永住権の明確な道筋がないという指摘もある

MM2Hで永住権は取れる?

長期滞在ビザのMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)は、永住権とは別の制度です。観光・芸術・文化大臣は2024年6月、新しいMM2Hの参加者(プラチナ・ゴールド・シルバーの3区分)は永住権を申請できないと説明しています。

MM2Hは「長く住むためのビザ」で、永住権につながる制度ではない点に注意しましょう。

→ MM2H(マレーシア長期滞在ビザ)とは?条件と申請の流れ
→ MM2Hの制度変更の歴史


永住権以外の選択肢:長期滞在のパス

永住権のハードルが高いため、実際には長期滞在のビザやパスを使って住む人が多くいます。

制度 期間の目安 主な対象
MM2H 区分により異なる 定期預金などの条件を満たす人
就労ビザ(Employment Pass) 雇用契約などによる 現地の企業で働く人
Residence Pass-Talent(RP-T) 最長10年(更新可) 現地で3年以上働いている高度人材
デジタルノマドビザ(DE Rantau) 短期〜中期 リモートで働く人

→ マレーシアの就労ビザ(Employment Pass)

Residence Pass-Talent(RP-T)

RP-Tは、TalentCorp(人材公社)が入国管理局などと共同で運営する、高度人材向けの長期のパスです。TalentCorpの公式サイトでは、主な条件を次のように案内しています。

  • 就労ビザ(Employment Pass)でマレーシアで3年以上続けて働いている
  • 申請時に、有効期間が3か月以上残っている就労ビザを持っている
  • 基本給が月RM15,000以上(手当・賞与を除く)
  • マレーシアの納税者番号を持ち、直近2年以上の所得税を納めている
  • 大学の学位・ディプロマ、または専門資格を持っている
  • 職務経験が合計5年以上

RP-Tは最長10年で更新もでき、勤務先を変えてもパスを取り直す必要がないとされています。配偶者や18歳未満の子どもも、家族向けのパスの対象です。ただし、条件を満たしても承認が約束されるわけではなく、最終的な判断は審査委員会によるとされています。また、RP-Tは永住権ではない点にも注意が必要です。


永住権を考えるときのチェックリスト

  • ☐ 自分が4つの申請区分のどれに当たるか
  • ☐ 国民の配偶者の場合、結婚の期間と長期滞在のパスを持っている期間
  • ☐ 入国管理局の申請ガイドラインに書かれた最新の条件と必要書類
  • ☐ 永住権が取れなかった場合に使える長期滞在のパス(MM2H・就労ビザ・RP-Tなど)
  • ☐ 移住後の日本側の手続き(住民票・年金・税金)

→ 海外移住するときの日本の手続き


まとめ

  • マレーシアの永住権は「Entry Permit」と呼ばれ、期限なく住めるが、条件に違反すると取り消されることがある
  • 申請区分は、国民の妻・国民の夫・国民の子ども(18歳未満)・外国人の4つ
  • 家族関係がない外国人の審査は厳しく、結果は個別の判断(裁量)による
  • 2025年9月以降の新しい申請は、6か月以内に結果を出す方針が示されている
  • 新しいMM2Hの参加者は永住権を申請できない。長く住むなら、MM2H・就労ビザ・RP-Tなどの長期滞在のパスも合わせて検討する

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次