海外移住するときの日本の手続き|住民票・住民税・年金・健康保険・マイナンバー

海外移住するときの日本の手続き|住民票・住民税・年金・健康保険・マイナンバー

この記事でわかること
– 海外へ移住する前に、日本で必要な手続きの全体像
– 住民税・所得税・年金・健康保険がどうなるか
– マイナンバーカード、在留届、運転免許の注意点

マレーシアなどへ長期で移住するとき、現地の準備に目が向きがちですが、日本側の手続きも欠かせません。手続きを忘れると、住民税の督促が届いたり、年金の受給資格に影響したりすることがあります。

この記事では、日本に住む人が海外へ移住するときの主な手続きを整理します(2026年10月時点の情報)。


目次

手続きの全体像

手続き 窓口 タイミング
海外転出届 市区町村 転出予定日の14日前から
住民税の納税管理人 市区町村 出国前
所得税の納税管理人(または準確定申告) 税務署 出国前
国民年金の任意加入(希望する場合) 市区町村 出国前
国民健康保険の資格喪失 市区町村 転出届と同時
マイナンバーカードの国外継続利用 市区町村 転出予定日の前日まで
在留届 在外公館(オンライン可) 現地到着後

1. 海外転出届

1年以上海外に住む場合は、住んでいる市区町村に「海外転出届」を出します。転出予定日の14日前から届け出ることができます。旅行や短期の出張では不要です。

出国前に届けなかった場合は、転出後14日以内に届け出る必要があり、遅れると過料の対象になることがあります。窓口や郵送での受付は自治体によって異なるため、住んでいる市区町村のホームページで確認しましょう。


2. 住民税

住民税は、その年の1月1日時点の住所地で、前の年の所得に対してかかります。年の途中で海外に転出しても、その年度の住民税はなくなりません。

  • 出国後も納付が残る場合は、納税管理人(日本に住む人や法人。親族でなくてもよい)を決めて市区町村に届け出ます
  • 届け出ないと、通知が届かないまま督促や延滞金につながる可能性があります
  • 翌年1月1日に日本に住所がなければ、出国した年の所得には翌年度の住民税はかかりません

3. 所得税

出国した年の所得税は、次のどちらかの方法で手続きします(国税庁)。

方法 内容
納税管理人を届け出る 1月1日〜出国日の所得と、出国後の日本国内の所得を合わせて、翌年2月16日〜3月15日に納税管理人を通じて申告
納税管理人を届け出ない 出国の時までに「準確定申告」をする

日本の不動産を貸している場合

海外に移住して非居住者になった後に、日本の不動産を貸して家賃を受け取る場合、借主(個人を含む)は原則として家賃の20.42%を源泉徴収します。ただし、個人が自分や親族の住まいとして借りる場合は不要です。非居住者本人は、不動産所得として確定申告をして精算できます。

出国税(国外転出時課税)

有価証券などを1億円以上持ち、出国前10年以内に日本に5年超住んでいた人は、出国時に含み益に所得税がかかる「国外転出時課税」の対象になります。該当しそうな人は、早めに税理士に相談しましょう。


4. 国民年金

海外に住む間は、国民年金は強制加入ではなくなります。日本国籍で20歳以上65歳未満の人は、希望すれば任意加入できます。

  • 出国前の手続き:住んでいる市区町村
  • 保険料の納付:日本の口座からの引き落とし、または日本にいる協力者による納付
  • 任意加入しなかった期間(20歳以上60歳未満)は、受給資格期間(10年)には数えられますが、年金額には反映されません(合算対象期間)

会社員として厚生年金に入ったまま海外に赴任する場合は、勤務先を通じた手続きになります。


5. 国民健康保険

海外転出届を出すと、国民健康保険の資格を失い、保険料を精算します。

海外で受診した医療費の一部が払い戻される「海外療養費制度」は、日本の健康保険に加入している間に限られます。転出後は使えないため、現地の医療保険や海外旅行保険を準備しましょう。

→ マレーシアの医療事情|日本語対応の病院と保険の考え方


6. マイナンバーカード

2024年5月27日から、日本国籍の人は海外に転出した後もマイナンバーカードを使い続けられるようになりました。

  • 転出予定日の前日までに、転出届と一緒に「個人番号カード国外継続利用申請書」を提出
  • 手続きをせずに出国すると、カードは転出予定日に失効します(出国後に在外公館などを通じて新たに申請することは可能)

7. 在留届

海外に3か月以上滞在する日本人は、旅券法にもとづき、住所を管轄する在外公館に「在留届」を出す義務があります。外務省のオンライン在留届(ORRnet)で提出できます。3か月未満の滞在なら、任意の「たびレジ」に登録しておくと、現地の安全情報を受け取れます。


8. 運転免許(マレーシアの場合)

マレーシアでは、2025年5月19日から、外国の運転免許からマレーシアの免許への切り替えが原則として停止されています(MM2H参加者などの例外あり)。最新の扱いは変わる可能性があるため、在マレーシア日本国大使館の情報で確認しましょう。


出国前のチェックリスト

  • ☐ 海外転出届(14日前から)
  • ☐ 住民税の納税管理人の届出
  • ☐ 所得税の納税管理人の届出、または準確定申告
  • ☐ 国民年金の任意加入を検討
  • ☐ マイナンバーカードの国外継続利用の申請(前日まで)
  • ☐ 現地の医療保険・海外旅行保険の加入
  • ☐ 日本の銀行口座・クレジットカードの継続利用の確認
  • ☐ 現地到着後に在留届

まとめ

  • 1年以上海外に住むなら、14日前から海外転出届を出せる
  • 住民税は1月1日時点の住所地で課税。出国後に納付が残るなら納税管理人を決める
  • 所得税は納税管理人を届け出るか、出国までに準確定申告
  • 年金は任意加入を検討。健康保険は転出で資格を失う
  • マイナンバーカードは手続きすれば海外でも継続利用できる

移住の全体像はマレーシア移住ガイドをご覧ください。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。

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