ドバイの不動産の販売は、完成前の物件(オフプラン)が7割以上を占めます。オフプランには、支払いを分割できる、販売初期は価格が抑えられているといった魅力がある一方、完成の遅れや支払いのトラブルのリスクもあります。この記事では、オフプラン物件を選ぶときに知っておきたいルールを整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。個別の契約は、現地の弁護士などの専門家に確認してください。
買主を守る仕組み:エスクロー口座
ドバイの法律(2007年法律第8号)では、開発会社はプロジェクトごとに、ドバイ土地局(DLD)に登録したエスクロー口座を開き、買主からの支払いをすべてそこに入金する義務があります。お金はそのプロジェクトの建設にしか使えません。
また、不動産規制庁(RERA)がプロジェクトを取り消した場合、開発会社は買主に支払額の全額を返す義務があります。
買主が支払いを遅らせた場合
2017年の法改正で、買主が支払いを怠った場合の手続きが決められました。開発会社がDLDに通知し、DLDが買主に30日の猶予を与えたうえで、工事の進み具合に応じて、開発会社が次のように対応できます。
| 工事の進み具合 | 開発会社ができること |
|---|---|
| 80%超 | 契約の続行、競売、または解除(契約額の最大40%を差し引ける) |
| 60〜80% | 解除し、契約額の最大40%を差し引ける |
| 60%未満(着工済み) | 解除し、契約額の最大25%を差し引ける |
| 未着工(開発会社に責任のない事情) | 解除し、支払済額の最大30%を差し引ける |
支払いが遅れると、払ったお金の一部が戻らないおそれがあります。 支払い計画は、自分の資金計画で無理なく払えるものを選びましょう。
完成前の転売(アサインメント)
完成前に権利を第三者に売る場合は、開発会社の同意書(NOC)が必要です。転売を認める条件(何%まで支払っているかなど)は、プロジェクトごとの売買契約で決まり、30〜40%の支払いを求める例が多いとされています。転売を考えている場合は、契約前に条件を確認しましょう。
完成の遅れのリスク
格付け会社 Fitch は、2022〜2024年に完成予定だった住戸のうち、実際に完成したのは56%だったと指摘しています。引き渡しが遅れると、家賃収入が始まる時期も遅れます。
物件・開発会社の確認方法
- ☐ プロジェクトのDLDの登録番号と、専用のエスクロー口座(銀行・口座番号)をDLDや銀行に確認する
- ☐ 仲介業者の登録番号(BRN)を、DLDのアプリ(Dubai REST)やポータルで確認する
- ☐ 開発会社の過去の物件が予定どおり完成しているか
- ☐ 支払い計画(工事中・引き渡し時・引き渡し後)と、自分の資金計画
- ☐ 転売の条件と、遅延したときの扱い
→ ドバイ不動産の購入前チェックリスト/プレビルド(完成前物件)投資の仕組みとリスク
まとめ
- ドバイのオフプラン物件の支払いは、プロジェクトごとのエスクロー口座に入金され、建設にしか使えない
- 買主が支払いを怠ると、工事の進み具合に応じて契約額の最大40%などを差し引かれるおそれがある
- 完成前の転売には開発会社の同意が必要で、30〜40%の支払いが条件になる例が多い
- DLDの登録・エスクロー口座・開発会社の実績を確認し、無理のない支払い計画を選ぶ
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
