マレーシアに会社を作り、現地のスタッフを雇うときには、最低賃金や社会保険、労働時間などのルールを守る必要があります。このコラムでは、マレーシアで人を雇うときの基本的なルールを整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。実際の雇用契約や給与計算は、現地の会計事務所や人事の専門家に相談してください。
目次
最低賃金
| 時期 | 対象 |
|---|---|
| 2025年2月1日から | 従業員5人以上の雇用主と、専門職の業種 |
| 2025年8月1日から | すべての雇用主 |
最低賃金は月RM1,700です。外国人の労働者も対象です(家事使用人は除く)。
社会保険の負担
| 制度 | マレーシア人の従業員 | 外国人の従業員 |
|---|---|---|
| 従業員積立基金(EPF) | 雇用主13%(月給RM5,000超は12%)、本人11% | 2025年10月から、雇用主2%・本人2% |
| 社会保障(SOCSO) | 加入 | 労災(雇用主1.25%)、障害(雇用主・本人0.5%ずつ) |
| 雇用保険(EIS) | 雇用主・本人0.2%ずつ(賃金の上限RM6,000) | 対象外 |
労働時間と休暇(2023年の雇用法改正)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 労働時間 | 週45時間まで(改正前は48時間) |
| 産休 | 98日(改正前は60日) |
| 父親の育休 | 7日(勤続12か月以上などの条件あり) |
| 適用範囲 | 賃金にかかわらず、すべての従業員に広がった |
人材開発の課徴金(HRD Corp)
マレーシア人の従業員が10人以上の会社は、人材開発公社(HRD Corp)への登録が義務で、月給の1%を納めます(5〜9人の会社は任意登録で0.5%)。納めた課徴金は、従業員の研修費用に使うことができます。
外国人を雇う場合
日本人などの外国人を雇うには、就労ビザ(Employment Pass)が必要です。2026年6月から給与の基準が上がっています。
雇用前のチェックリスト
- ☐ 最低賃金(月RM1,700)以上の給与か
- ☐ 積立基金・社会保障・雇用保険の登録と、毎月の納付
- ☐ 労働時間(週45時間まで)・休暇を就業規則に反映
- ☐ 従業員10人以上なら人材開発公社への登録
- ☐ 外国人を雇う場合は就労ビザの手続き
→ マレーシアで会社を設立する方法/海外赴任者の社会保険・年金
まとめ
- マレーシアの最低賃金は月RM1,700で、2025年8月からすべての雇用主が対象
- マレーシア人の積立基金は雇用主13%・本人11%。2025年10月から外国人も2%ずつ加入が義務に
- 2023年の改正で、労働時間は週45時間まで、産休は98日に
- 従業員10人以上の会社は、人材開発の課徴金(月給の1%)が必要
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
