インドネシアは、人口約2億8,000万人を抱える東南アジア最大の市場です。外国企業が進出するときは、外資の株式会社(PT PMA)を設立するのが基本です。このコラムでは、PT PMAの設立の基本と、2025年の資本金の規則改正のポイントを整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 制度の概要の紹介です。実際の設立は、現地の法律事務所・会計事務所に相談してください。
PT PMA(外資の株式会社)とは
外国の個人や会社が出資してインドネシアで事業を行うには、原則として PT PMA を設立します。許認可は、オンラインの許認可システム(OSS)で、事業者番号(NIB)を取得して進めます。
資本金の条件(2025年の改正)
インドネシア投資省(BKPM)の規則(2025年第5号)で、資本金の条件が変わりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総投資額 | 事業分野(5桁の業種コード)・所在地ごとに、100億ルピア超(土地・建物を除く) |
| 払込資本金の最低額 | 25億ルピア(改正前は100億ルピア) |
| 払い込んだ資本金 | 原則として12か月間は引き出せない(資産の購入・建設・運営に使う場合を除く) |
払込資本金の最低額が下がったことで、外国企業がPT PMAを設立するときの資金の負担は軽くなりました。
外資規制
インドネシアでは、投資の対象となる業種を定めたリスト(投資ポジティブリスト)があり、多くの業種で100%外資での出資が認められています。一方で、外資の比率に上限がある業種や、国内の中小企業向けに残されている業種もあります。進出する業種の扱いを、事前に確認しましょう。
法人税
| 区分 | 税率 |
|---|---|
| 標準 | 22% |
| 上場会社(浮動株40%以上などの条件) | 19% |
小規模事業者向けの簡易な税率
売上の0.5%を納める小規模事業者向けの簡易な税率は、2026年の政令(第20号)で、個人・一人会社・協同組合に限られることになりました。新しく設立する通常の株式会社は使えないため、PT PMAでは標準の税率を前提に考えましょう。
日系企業の状況
インドネシアには、製造業を中心に多くの日系企業が進出しています(JETROジャカルタ事務所の2020年の資料では約1,500社)。
設立の流れ(概要)
- 事業分野(業種コード)と、外資の可否・条件を確認
- 会社名の予約、定款の作成(公証人)
- 法務人権省での法人の登録
- OSSで事業者番号(NIB)と、事業の許認可を取得
- 税務登録、銀行口座の開設、資本金の払い込み
- 外国人を雇う場合は、就労許可・滞在許可の手続き
まとめ
- 外国企業がインドネシアに進出するには、外資の株式会社(PT PMA)を設立するのが基本
- 総投資額は業種・所在地ごとに100億ルピア超、払込資本金の最低額は2025年の改正で25億ルピアに
- 多くの業種で100%外資が可能だが、制限のある業種もある
- 法人税は22%。新設の株式会社は0.5%の簡易な税率を使えない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
