ドバイの不動産市場は、2025年に過去最高の取引額を記録しました。一方で、2026年には価格の調整や供給の増加を指摘する声も出ています。この記事では、公表データと主要な報道をもとに、ドバイ不動産市場の現状を整理します(2026年10月時点)。
主なデータ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 2025年の不動産取引 | 27万件超・9,170億ディルハム。件数・金額とも前年比約20%増で過去最高 |
| 2026年1〜3月の取引 | 60,303件(前年同期比6%増)・2,520億ディルハム(同31%増) |
| 2025年の販売に占める完成前物件の割合 | 72.9%(2024年69.3%、2023年61.7%) |
| ドバイの人口 | 2025年8月に400万人を突破。2026年7月には約474万人 |
| UBSバブル指数(2026年) | 1.16で「過大評価(elevated)」。世界の主要都市で4番目に高い |
取引:2025年は過去最高
ドバイ政府の発表によると、2025年の不動産取引は27万件を超え、取引額は9,170億ディルハムと、いずれも過去最高でした。2026年1〜3月も、ドバイ土地局(DLD)の発表で取引額が前年同期比31%増と、高い水準が続きました。
価格:2026年に入って一部で調整
2026年3月には、中東情勢の緊迫を受けて取引が一時的に落ち込んだと報じられました。調査会社 ValuStrat の指数では、2026年1〜3月期に価格がコロナ禍以来初めて前期比で下落(3.8%減)しましたが、前年比ではなお8.9%高い水準でした。
同社のデータでは、2026年1〜3月期の平均価格は、完成前物件が1平方フィートあたり2,030ディルハム、完成済み物件が1,691ディルハムでした。
供給:完成予定の物件が多い
格付け会社 Fitch は2025年5月、2026年に約12万戸の引き渡しが予定されている(2025年は約9万戸)として、2025年後半から2026年にかけて最大15%程度の価格調整が起こりうるとの見方を示しました。ただし、2022〜2024年には予定された戸数の56%しか実際には完成していないとも指摘しています。
バブル指数:「過大評価」の水準
スイスの金融機関 UBS が毎年発表する不動産バブル指数で、ドバイは2025年に「適正」から「過大評価」に移り、2026年は1.16と、前年(1.09)からさらに上がりました。一方で、2026年4〜6月期の実質の家賃は前年比で4%下がっています。
制度の動き
- ローン:2025年2月から、銀行はドバイ土地局の登録手数料(4%)や仲介手数料を融資に含められなくなった
- 不動産のトークン化:2025年3月、ドバイ土地局が不動産を小口に分けて購入できる試験事業を開始(完成済み物件のみ、UAEの身分証を持つ人が対象)
- ゴールデンビザ:200万ディルハム以上の不動産で10年ビザを申請できる制度は継続
→ ドバイ不動産投資の特徴/ドバイ不動産の購入前チェックリスト
データから読み取れること
- 取引は活発:人口の増加と海外からの資金流入で、取引は過去最高の水準
- 完成前物件が中心:販売の7割以上が完成前物件で、完成・引き渡しのリスクを見る必要がある
- 調整のリスク:供給の増加とバブル指数の上昇から、価格の調整を指摘する声がある
- エリアと物件で差が大きい:市場全体の数字だけでなく、検討しているエリアの需給を確認する
まとめ
- 2025年のドバイの不動産取引は27万件超・9,170億ディルハムで過去最高
- 2026年は一部で価格の調整が見られ、供給の増加やバブル指数の上昇も指摘されている
- 販売の7割以上が完成前物件で、人口は約474万人まで増えている
- 投資を検討する場合は、市場全体の勢いだけでなく、供給とエリアごとの需給を確認する
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
