MM2Hの制度変更の歴史|2020年の凍結、2021年の厳格化、2024年の3区分制まで

MM2Hの制度変更の歴史

マレーシアの長期滞在ビザ「MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)」は、日本人のロングステイ先として長く人気がありました。一方で、この数年で条件が何度も大きく変わっています。この記事では、MM2Hの制度変更の歴史と、2026年10月時点の制度を整理します。


目次

年表

時期 できごと
2002年 前身のプログラムを引き継ぎ、MM2Hが始まる
2020年7〜8月 新規申請の受付を停止(制度の見直しのため)
2021年8月 新しい条件を発表。資産・収入の条件が大幅に引き上げられる
2023年12月 3区分制の案を発表(その後、別の内容に置き換え)
2024年6月 現在の3区分制(プラチナ・ゴールド・シルバー)を発表
2024年10月〜 新制度での申請の集計が始まる

2021年までの条件

2021年の見直し前は、条件が比較的ゆるやかでした。

項目 50歳未満 50歳以上
定期預金 RM30万 RM15万
資産(流動資産) RM50万 RM35万
国外からの収入 月RM1万 月RM1万
ビザの期間 10年(更新可) 10年(更新可)

2002年から2017年7月までの承認数は約3万3,000人で、日本は中国に次いで2番目に多い4,225人でした。


2020年:新規申請の凍結

2020年7月、観光芸術文化省は制度の見直しのため、新規申請の受付を止めました。同年11月には、国会で「廃止ではなく一時的な凍結」と説明されています。


2021年:条件の大幅な引き上げ

2021年8月11日、内務省が新しい条件を発表し、運営は入国管理局に移りました。

項目 2021年の条件
資産(流動資産) RM150万
定期預金 RM100万(承認後に50%まで引き出し可)
国外からの収入 月RM4万
ビザの期間 5年
滞在日数 年間90日以上
年会費 RM500

国外収入の条件は月RM1万から月RM4万に、定期預金はRM30万からRM100万に上がりました。2021年11月からの2か月間の新規申請は111件にとどまったと報じられています。


2024年:3区分制へ

2023年12月にいったん3区分制の案が発表された後、2024年6月に現在の制度が発表されました。国外収入や流動資産の条件はなくなり、定期預金と不動産の購入が条件の中心になりました。

区分 定期預金 不動産の最低価格 ビザの期間 参加費(本人)
プラチナ USD100万 RM200万 20年 RM20万
ゴールド USD50万 RM100万 15年 RM3,000
シルバー USD15万 RM60万 5年 RM1,000

※ MM2H公式サイトの区分別ページにもとづく(2026年10月時点)。

すべての区分に共通する主な条件

  • 25歳以上
  • 年間に通算90日以上マレーシアに滞在する
  • 承認後に、定期預金の50%までを住宅購入・教育・医療などのために引き出せる
  • 購入した住宅は10年間売却できない(より高い物件への買い替えは可)
  • 申請は、政府の免許を受けたエージェントを通じて行う
  • 新制度の参加者は永住権を申請できない
  • ゴールドとシルバーの参加者は就労できない

経済特区(SEZ/SFZ)の区分

ジョホール州フォレストシティの特区向けに、定期預金がUSD6万5,000(21〜49歳)またはUSD3万2,000(50歳以上)の区分もあります。対象は特区内の物件です。

→ MM2H(マレーシアの長期滞在ビザ)


新制度の利用状況

政府の発表では、2024年10月から2026年8月までの申請は7,650件で、中国(3,847件)、台湾(1,054件)、香港、シンガポール、アメリカが上位でした。日本は上位5か国に入っていません。


歴史から分かること

  • 条件は数年単位で大きく変わる:2021年と2024年に、条件の考え方そのものが変わった
  • 不動産購入との結びつきが強まった:2024年以降は、一定額以上の住宅の購入と、10年間の売却制限が条件になっている
  • 既存の参加者への経過措置:2021年の見直しでは、既存の参加者への緩和措置もとられた。今後の変更でも、自分がどの時点の条件で参加しているかが重要になる

まとめ

  • MM2Hは2002年に始まり、2020年の凍結、2021年の厳格化、2024年の3区分制と、大きく変わってきた
  • 2026年10月時点は、プラチナ・ゴールド・シルバーの3区分と、経済特区向けの区分がある
  • 現在は定期預金と住宅の購入(10年間売却不可)が条件の中心
  • 制度は今後も変わる可能性があるため、申請前に公式情報と免許を受けたエージェントで最新の条件を確認する

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。

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