マレーシアには、イギリスやオーストラリアなどの大学の分校があり、海外の大学の学位を、本国より抑えた費用で目指せる進学先として知られています。この記事では、マレーシアの大学に進学する方法と、分校・ツイニング・学費・学生ビザの基本を整理します(2026年10月時点の情報)。
※ 学費や入学条件は大学・学部・入学年度によって異なります。必ず各大学の公式情報を確認してください。
進学の主なルート
| ルート | 内容 | 授与される学位 |
|---|---|---|
| 海外大学の分校 | 海外の大学がマレーシアに設けたキャンパスで学ぶ | 本校の大学の学位(大学ごとに確認) |
| ツイニング・3+0 | マレーシアの私立大学で、提携する海外の大学の学位課程を学ぶ | 提携先の学位、または両校の学位(デュアル・アワード) |
| マレーシアの私立大学 | マレーシアの大学の独自の学位課程 | マレーシアの大学の学位 |
| マレーシアの国立大学 | 留学生の受け入れ枠で入学する | マレーシアの大学の学位 |
海外大学の分校
マレーシアには、海外の大学の分校が複数あります。主な分校は次のとおりです。
| 大学(本校の国) | 所在地 |
|---|---|
| モナシュ大学(オーストラリア) | セランゴール州(バンダー・サンウェイ) |
| ノッティンガム大学(イギリス) | セランゴール州(スメニ) |
| 厦門大学(中国) | セランゴール州(セパン) |
| ヘリオット・ワット大学(イギリス) | プトラジャヤ |
| サウサンプトン大学(イギリス) | ジョホール州(イスカンダル・プテリ) |
| レディング大学(イギリス) | ジョホール州(エデュシティ) |
| カーティン大学(オーストラリア) | サラワク州(ミリ) |
| スウィンバーン工科大学(オーストラリア) | サラワク州(クチン) |
分校の多くは英語で授業を行い、本校と同じ大学の学位が授与されます。大学によっては、途中で本校に移って学ぶ制度もあります。たとえばノッティンガム大学マレーシア校は、イギリスのキャンパスへの移籍や、2年ずつ学ぶ「2+2」の課程を案内しています。
分校ごとに開いている学部は限られるため、希望する分野の課程があるかを最初に確認しましょう。
ツイニング・3+0とは
マレーシアの私立大学の中には、海外の大学と提携し、その大学の学位につながる課程を開いているところがあります。
| 形式 | 内容 |
|---|---|
| ツイニング(例:2+1) | 前半をマレーシアで、残りを提携先の国で学ぶ |
| 3+0 | すべての期間をマレーシアで学び、提携先の学位を取得する |
| デュアル・アワード | マレーシアの大学と提携先の両方の学位が授与される |
たとえば、サンウェイ大学とイギリスのランカスター大学は2006年からデュアル・アワードの提携を続けており、会計・経営・情報・心理などの分野で20以上の課程があります。
選ぶときの注意点
- マレーシアの資格機関(MQA)に登録された課程かを、大学名ではなく課程ごとに確認する
- 卒業時にどちらの大学の学位が授与されるかを確認する
- 日本で就職・進学する場合に、その学位がどう扱われるかを確認する
ファウンデーション(大学準備課程)
日本の高校を卒業して進学する場合、多くの大学では、学位課程の前に1年程度の「ファウンデーション」を受けることが求められます。高校の成績や英語の力によっては、直接入学できる場合もあります。
| 課程の例 | 期間 | 学費の目安(留学生) |
|---|---|---|
| 厦門大学マレーシア校のファウンデーション(2026年度) | 1年 | 年RM1万8,000〜2万 |
| モナシュ大学のファウンデーション(MUFY、サンウェイ・カレッジKL、2026年) | 約1年 | RM3万8,600〜4万1,000程度。留学生は事務手数料RM2,250が別途 |
学費の目安
分校の学費は、大学と分野で大きく異なります。
| 大学 | 対象 | 年間の学費(留学生) |
|---|---|---|
| ノッティンガム大学マレーシア校 | 2027年1月以降の入学 | RM5万4,000〜7万5,000(教育・英語系が低め、工学RM6万9,000、薬学RM7万5,000) |
| 厦門大学マレーシア校 | 2026年度 | RM2万7,000〜3万2,000。別途、留学生の手数料が年RM2,650 |
※ いずれも各大学の公式サイトに掲載された金額です。2025年7月1日から、マレーシア国籍でない学生の学費には6%のサービス税がかかり、上記の金額には含まれていません。
学費のほかに、寮・家賃、生活費、保険、学生ビザの費用がかかります。為替の変動でも円での負担は変わるため、余裕を持った資金計画が必要です。
→ クアラルンプールの生活費(2026年版)/日本からマレーシアへの送金方法
英語の要件
授業は英語で行われるのが一般的で、IELTSなどの英語の試験のスコアが求められます。必要なスコアは大学・課程・ファウンデーションか学位課程かで異なり、学位課程ではファウンデーションより高いスコアを求める大学が多くなっています。スコアが足りない場合に、英語の準備コースを用意している大学もあります。
学生ビザ(学生パス)の流れ
留学生の学生パスは、マレーシア高等教育省の傘下にあるEMGS(Education Malaysia Global Services)を通じて申請します。多くの場合、大学が申請を代行します。
- 大学から入学許可を受ける
- 大学またはEMGSを通じて学生パスを申請する
- 承認されると、電子ビザ承認書(eVAL)が発行される
- eVALを持って入国する
- 到着後、指定のクリニックで健康診断を受ける(ノッティンガム大学マレーシア校では到着から7日以内)
- パスポートに学生パスが貼付される
ノッティンガム大学マレーシア校の案内では、審査に4〜6週間程度かかり、パスポートの残りの有効期間は登録日から18か月以上が必要とされています。費用は、学部生の場合で手続き費用RM3,900(1年分の医療保険などを含む)と、卒業後に返金される保証金RM2,000です。金額や条件は大学ごとに異なるため、入学する大学の案内を確認しましょう。
アルバイトのルール
EMGSの案内によると、留学生がアルバイトできるのは、学期の休みや7日を超える休暇の間に限られ、週20時間までです。学生パスが有効であることと、入国管理局の事前の許可が必要で、申請は在籍する大学を通じて行います。働ける業種は飲食店・ガソリンスタンド・ミニマーケット・ホテルなどに限られ、レジ係はできません。
学期中は基本的に働けないため、アルバイトで学費や生活費をまかなう前提の計画は立てにくいと考えておきましょう。
進学までの準備
- ☐ 希望する分野の課程がある大学と、授与される学位を確認する
- ☐ 入学時期(大学ごとに複数回ある)と出願の締め切りを確認する
- ☐ ファウンデーションが必要か、英語のスコアの条件を確認する
- ☐ 学費・寮費・生活費・サービス税・ビザの費用を合わせて試算する
- ☐ パスポートの有効期限を確認する
- ☐ 保護者が一緒に移住する場合は、保護者のビザも検討する
まとめ
- マレーシアには海外大学の分校が複数あり、本校と同じ大学の学位を目指せる
- 私立大学のツイニング・3+0・デュアル・アワードでも、海外の大学の学位につながる課程がある
- 学費は大学・分野で大きく異なり、ノッティンガム大学マレーシア校で年RM5万4,000〜7万5,000、厦門大学マレーシア校で年RM2万7,000〜3万2,000(いずれも留学生、税抜き)
- 2025年7月から、留学生の学費には6%のサービス税がかかる
- 学生パスはEMGSを通じて申請し、アルバイトは休暇中に週20時間までに限られる
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
