この記事でわかること
– マレーシアで不動産を購入するときの手順(8ステップ)
– 完成済み物件と完成前物件(プレビルド)での支払いの違い
– 物件価格以外にかかる費用
マレーシアの不動産購入は、弁護士が売買契約や名義変更の手続きを担うのが一般的で、日本とは進め方が少し異なります。外国人の場合は州政府の承認という手続きも加わります。
この記事では、日本に住む人がマレーシアの不動産を購入するときの流れを、順を追って説明します。
購入の全体像
| ステップ | 内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 1 | 目的・予算・エリアを決める | ― |
| 2 | 物件・デベロッパーを調べる | ― |
| 3 | 現地視察・オンライン内見 | ― |
| 4 | 予約(ブッキング) | ― |
| 5 | 売買契約(SPA)の締結 | 予約から数週間以内 |
| 6 | 州政府の承認(外国人の場合) | 1〜3か月程度とされる |
| 7 | 代金の支払い | 完成済みは一括/完成前は工事の進捗に応じて |
| 8 | 引き渡し・賃貸開始 | ― |
ステップ1:目的・予算・エリアを決める
最初に「何のために買うのか」を決めます。家賃収入が目的なのか、将来自分や家族が住むためなのかで、選ぶエリアや間取りが変わります。
予算は、物件価格に加えて諸費用(後述)、家具、当面の管理費まで含めて考えましょう。外国人には州ごとの最低購入価格があるため、その基準と予算が合うかも確認が必要です。
ステップ2:物件・デベロッパーを調べる
完成前の新築物件を買う場合は、物件そのものだけでなく、開発会社(デベロッパー)の実績が重要です。過去に手がけた物件が予定どおり完成しているか、完成後の管理状態はどうかを確認しましょう。
ステップ3:現地視察・オンライン内見
できれば一度は現地を訪れ、周辺の環境や交通、生活施設を確かめるのが理想です。難しい場合は、オンライン内見やモデルルームの動画、周辺環境の資料で確認します。
ステップ4:予約(ブッキング)
購入する物件が決まったら、予約金(ブッキングフィー)を支払って物件を押さえます。予約金は、一般に物件価格の2〜3%程度です。 この段階で、購入者の情報やパスポートのコピーを提出します。
ステップ5:売買契約(SPA)の締結
弁護士が作成した売買契約書(SPA:Sale and Purchase Agreement)に署名します。契約時には、予約金と合わせて物件価格の10%を支払うのが一般的です。
契約書は英語で作成されます。支払いスケジュール、完成予定日、遅延時の補償、解約条件などを、日本語でも内容を確認できるようにしておきましょう。
ステップ6:州政府の承認(外国人の場合)
外国人が購入する場合、物件がある州の州政府に購入の承認を申請します。通常は弁護士が手続きを行います。承認が下りるまで1〜3か月程度かかるとされ、承認手数料や課徴金もかかります。
ステップ7:代金の支払い
支払い方法は、物件が完成済みかどうかで異なります。
| 物件の種類 | 支払い方法 |
|---|---|
| 完成済み物件(中古・完成済み新築) | 契約時の10%を除いた残代金を、契約後の一定期間内に一括で支払う |
| 完成前物件(プレビルド) | 法定の標準契約(集合住宅はSchedule H)の支払い表に沿って、基礎・躯体・内装などの工程ごとに段階的に支払う |
海外送金の方法や手数料は、事前に比較しておきましょう。
→ 日本からマレーシアへの送金方法/プレビルド投資の仕組みとリスク
ローンを使う場合
マレーシアの金融機関で外国人がローンを組める場合もありますが、借入できる割合や条件は国内居住者より厳しくなります。外国人の借入比率は物件価格の60〜70%程度が一般的で、海外に住む人は50%程度にとどまることも多いとされます。現金購入を基本に資金計画を立てるのが現実的です。
ステップ8:引き渡し・賃貸開始
引き渡し時には、部屋の不具合をチェックし、問題があれば修理を依頼します。完成前物件の場合、引き渡しから24か月間は開発会社による不具合の補修期間(瑕疵担保期間)があります。
賃貸に出す場合は、家具・家電をそろえ、賃貸管理会社と契約して入居者を募集します。
物件価格以外にかかる主な費用
| 費用 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 印紙税(名義変更) | 所有権移転にかかる税金 | 外国人の住宅購入は一律8%(2026年1月以降。2025年までは4%) |
| 印紙税(ローン契約) | ローンを使う場合の契約書にかかる税金 | 借入額の0.5% |
| 弁護士費用 | 契約書作成・名義変更手続き | 法定の料金表(2023年改定)で、最初のRM50万まで1.25%、それを超える部分は1%など。別途サービス税。新築では開発会社負担の場合も |
| 州政府承認手数料 | 外国人の購入承認 | 州によって異なる(例:ジョホール州は購入価格の3%または最低RM3万) |
| 家具・家電 | 賃貸に出す場合は家具付きが一般的 | 物件の広さ・グレードによる |
| 送金手数料 | 日本からの海外送金 | 金融機関・サービスによる |
保有中にも、管理費(Maintenance Fee)・修繕積立金(Sinking Fund)、土地税(Quit Rent)、固定資産税にあたる評価税(Assessment Tax)がかかります。
まとめ
- マレーシアの不動産購入は「予約 → 売買契約 → (外国人は)州政府の承認 → 支払い → 引き渡し」の流れで進む
- 契約や名義変更は弁護士が担うのが一般的。契約書は英語なので内容を必ず確認する
- 完成前物件は工事の進捗に応じた分割払い、完成済み物件は一括払いが基本
- 物件価格以外に、印紙税・弁護士費用・家具・送金手数料などがかかる
マレーシア不動産投資の全体像はマレーシア不動産投資のメリット・デメリットをご覧ください。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
