この記事でわかること
– 外国人がマレーシアで不動産を購入できるかどうか
– 州ごとに異なる最低購入価格の考え方
– 外国人が購入できない物件と、購入時に必要な手続き
マレーシアは、外国人でも一定の条件を満たせば不動産を購入・所有できる国です。ただし、日本人が国内で家を買うのと同じ感覚では進められません。外国人には最低購入価格や購入できない物件の種類があり、そのルールは州ごとに異なります。
この記事では、外国人がマレーシアで不動産を購入するときの基本的な条件を整理します。
外国人もマレーシアの不動産を購入できる
マレーシアでは、外国人(マレーシア国籍・永住権を持たない人)も、住宅用のコンドミニアムや住宅を購入できます。購入には、原則として物件がある州の州政府の承認が必要です(国家土地法433B条)。
また、マレーシアの不動産には、期限なく所有できるフリーホールドと、一定期間(例:99年)の借地権であるリースホールドがあります。外国人はどちらも購入できますが、リースホールドは残存期間によって売却のしやすさや金融機関の評価が変わるため、購入前に確認しましょう。
州ごとに異なる最低購入価格
外国人が購入できる物件には、州ごとに最低価格が設定されています。代表的な州の目安は次のとおりです。
| 州 | 外国人の最低購入価格(目安) |
|---|---|
| クアラルンプール(連邦直轄領) | RM100万以上(集合住宅・土地付き住宅とも) |
| セランゴール州 | 主要エリア(ペタリン、ゴンバック、フル・ランガット、セパン、クラン)とクアラ・セランゴール、クアラ・ランガットはRM200万以上。フル・セランゴール、サバ・ベルナムはRM100万以上 |
| ペナン州 | ペナン島:集合住宅RM100万以上、土地付き住宅RM300万以上/本土側:集合住宅RM50万以上、土地付き住宅RM100万以上 |
| ジョホール州 | RM100万以上(エリア・物件種別により異なる場合あり) |
| マラッカ州 | 集合住宅RM50万以上、土地付き住宅RM100万以上とされる |
※ 最低購入価格は改定されることがあります。2026年10月時点の情報です。
同じ州の中でも、エリアや物件の種類(コンドミニアム/土地付き住宅)によって基準が異なる場合があります。物件を検討する段階で、その物件が外国人の購入条件を満たしているかを販売会社・弁護士に必ず確認しましょう。
最低購入価格があることの意味
最低購入価格は、外国人による投機的な購入で地元の人が住宅を買いにくくなることを防ぐためのルールです。購入者にとっては、次の2点を意味します。
- 予算の下限が決まる:一定以上の価格帯の物件しか選べない
- 売却時の買い手も限られる:外国人に売る場合、買い手も同じ基準以上の物件を探している人になる
特に2つ目は見落としがちなポイントです。出口(売却)を考えるときは、地元の購入者にも需要がある物件かどうかが重要になります。
外国人が購入できない物件
最低購入価格を満たしていても、外国人が購入できない物件があります。
- ブミプトラ枠の物件:マレー系住民などを対象とした割り当て枠の物件
- 低価格・中価格帯の住宅:州が定める価格帯の住宅
- マレー保留地(Malay Reserved Land)上の物件
物件の広告に「Foreigner eligible」「外国人購入可」などと記載されているかどうかも、確認の目安になります。
外国人が購入するときの主な手続き
外国人の購入は、国内の購入者に比べて手続きが1つ増えます。
- 物件の予約(ブッキング):予約金を支払って物件を押さえる (一般に物件価格の2〜3%程度)
- 売買契約(SPA)の締結:弁護士を通じて契約する
- 州政府への購入承認の申請:外国人の場合に必要。承認まで1〜3か月程度かかるとされ、それ以上かかることもある
- 残代金の支払い:中古物件は承認後に一括、完成前物件は工事の進捗に応じて分割
- 名義変更・引き渡し
州政府の承認申請には手数料や課徴金がかかります。たとえばジョホール州では、2025年7月から「購入価格の3%または最低RM3万」に引き上げられています。 承認が下りるまで所有権の移転ができないため、スケジュールには余裕を持っておきましょう。
→ 購入の流れの詳細はマレーシア不動産購入の流れ
購入前に確認したいチェックリスト
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低購入価格 | その州・エリア・物件種別の基準を満たしているか |
| 物件の区分 | ブミプトラ枠・低中価格帯住宅・マレー保留地に該当しないか |
| 所有形態 | フリーホールドか、リースホールドなら残存期間は何年か |
| 州政府の承認 | 申請は誰が行うか、期間と費用はどれくらいか |
| 出口 | 地元の購入者にも需要があるエリア・価格帯か |
まとめ
- 外国人もマレーシアの不動産を購入できるが、州政府の承認が必要
- 外国人には州ごとに最低購入価格があり、改定されることもある
- ブミプトラ枠などの外国人が買えない物件がある
- 最低購入価格は「売るときの買い手が限られる」ことにもつながるので、出口も考えて選ぶ
マレーシア不動産投資の全体像はマレーシア不動産投資のメリット・デメリットで、他の国との比較は海外不動産投資はどの国がいい?で解説しています。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。
