マレーシア不動産の利回りの見方|表面・実質利回りと計算時の注意点

マレーシア不動産の利回りの見方|表面・実質利回りと計算時の注意点

この記事でわかること
– 表面利回りと実質利回りの違い
– マレーシア不動産で利回りを計算するときに差し引くべき費用
– 利回りの数字だけで判断しないためのポイント

マレーシア不動産の広告やセミナーで「利回り○%」という数字を目にすることがあります。しかし、その数字が何を含んでいるかによって、実際の手取りは大きく変わります。

この記事では、利回りの正しい見方と、計算するときの注意点を説明します。


目次

表面利回りと実質利回り

表面利回り

表面利回り(グロス利回り)= 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

最も単純な計算方法で、広告で使われることが多い数字です。費用を差し引いていないため、実際の手取りより高く見えます。

実質利回り

実質利回り(ネット利回り)=(年間家賃収入 − 年間の費用)÷(物件価格 + 購入時の諸費用)× 100

管理費や税金、空室などを差し引いた、実際の手取りに近い利回りです。投資の判断には、こちらを使うのが基本です。


マレーシア不動産で差し引くべき費用

保有中にかかる費用

費用 内容
管理費(Maintenance Fee) 共用部の清掃・警備・プールやジムの維持費。面積に応じて毎月かかる
修繕積立金(Sinking Fund) 将来の大規模修繕のための積立。管理費の10%(区分所有管理法 2013年)
土地税(Quit Rent) 土地にかかる税金(年1回)
評価税(Assessment Tax) 自治体に納める固定資産税にあたる税金
賃貸管理手数料 入居者募集・家賃回収・トラブル対応を管理会社に任せる費用
仲介手数料 入居者が決まったときに支払う手数料
修繕・家具の入れ替え エアコン・家電の故障、入居者の入れ替え時の補修
火災保険など 建物共用部分の保険は管理費に含まれることが多い。室内の保険は別途

空室期間

入居者が退去してから次の入居者が決まるまでの間は、家賃収入がありません。年間で1〜2か月程度の空室を見込んで計算しておくと、より現実に近い数字になります。

税金

家賃収入には、マレーシアと日本の両方で税金がかかる可能性があります。マレーシアでは、非居住者の家賃収入(経費を差し引いた後)に一律30%の所得税がかかります。日本に住んでいる場合は日本でも確定申告が必要で、外国税額控除で二重課税を調整できる場合があります。

→ 海外不動産の税金


計算例(仮の数字)

項目 金額(例)
物件価格 RM1,000,000
購入時の諸費用(仮に5%) RM50,000
月額家賃 RM4,000
年間家賃(12か月満室) RM48,000
表面利回り 4.8%
空室(年1か月) −RM4,000
管理費・修繕積立金 −RM6,000
土地税・評価税 −RM1,000
賃貸管理・仲介手数料 −RM5,000
修繕・家具 −RM2,000
年間の手取り(税引前) RM30,000
実質利回り(税引前) 約2.9%(RM30,000 ÷ RM1,050,000)

※ 計算方法を説明するための仮の数字です。実際の物件や市場の利回りを示すものではありません。

この例では、表面利回り4.8%に対し、実質利回りは約2.9%になります。広告の利回りと手取りの差がどのくらいあるかを、具体的にイメージしておくことが大切です。


利回りを見るときの注意点

1. 想定家賃は根拠を確認する

完成前の物件では、利回りは想定家賃から計算されています。周辺の同じような物件が、実際にいくらで貸し出されているかを確認しましょう。

2. 「保証利回り」は条件を確認する

一部の物件では、一定期間の家賃や利回りを保証する「ギャランティー(保証)」が付いていることがあります。保証の期間、保証する主体、保証期間が終わった後の家賃水準を必ず確認しましょう。保証分があらかじめ販売価格に上乗せされている場合もあります。

3. 円ベースでも考える

利回りはリンギット建てで計算されます。円に換算すると、為替の動きによって手取りが増えたり減ったりします。

4. 売却時の税金も含めて考える

家賃収入だけでなく、売却時の税金(RPGT)や売却費用も含めて、保有期間全体の収支で考えることが大切です。

→ マレーシア不動産を売却するときの税金


まとめ

  • 広告の「利回り」は表面利回りであることが多い。判断には実質利回りを使う
  • 管理費・修繕積立金・税金・管理手数料・空室を差し引くと、表面利回りより大きく下がることがある
  • 想定家賃の根拠、保証利回りの条件、為替、売却時の税金まで含めて考える

マレーシア不動産投資の全体像はマレーシア不動産投資のメリット・デメリットをご覧ください。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の物件や投資を推奨するものではありません。制度・税率・数値は記事作成時点のものであり、変更される場合があります。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。

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